カンファレンス

2月6日(木) 13:00~15:00 場所:ワールドインポートマート5F

【G3】AIで変わる印刷物制作

印刷物の企画・制作は古くから職人的な業務に支えられ、DTPが主流となった現在でも個人の知識・経験に依存している面が少なくない。しかし、機械学習・ディープラーニング技術によって過去の膨大なデータを教科書とすることができる。つまり、個人の知識・経験に依存するような業務を、AIによって補完・自動化することも可能である。

印刷物制作においても、この動きは始まっている。AIを活用した画像修正やデザイン・レイアウト、校正・校閲などが実用化レベルとなり、大きな効果が見込まれている。

例えば、Photoshopによる画像修正では「切り抜き」「肌をきれいにする」「背景の不要な人物や物を消す」なども、ほとんど手間をかけることなく自動化できるようになってきた。Adobe Creative Cloudの膨大なデータを活用し、画像修正やレイアウト、映像編集、Web制作などクリエイティブ分野の自動化が進んでいるという。

また、過去のレイアウトデータを機械学習することで、従来のデザインポリシーに沿った誌面レイアウトを自動化する仕組みも実用化されつつある。

大日本印刷、エー・アンド・ユー、新建築社の3社がAIを活用して雑誌の誌面レイアウトを自動生成する技術を共同開発

校閲・校正は品質を保証するための重要な業務である。しかし、内容が専門的になるほど属人的な要素が大きくなるし、人為的ミスのリスクを解消することはできない。納期面の制約も大きい。機械学習は、勘や経験、ノウハウのような属人的な知見をデータ化するものであり、AIによって、このような業務を補完することが可能となる。

凸版印刷、みずほ銀行の校閲・校正業務をAIで支援

AIによって印刷物制作が今後どのように変わっていくのか、どのような分野・部門で効果があるのか、人手は不要になるのか、議論したい。

「AIを活用した画像修正」           Adobe Community Evangelist 境祐司

「AIを活用した雑誌の自動レイアウト」     大日本印刷  田端聡

「金融機関向けAI校閲・校正サービス」     凸版印刷 金山尚徳

 
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当日価格:18000円です。

  • 田端聡
    (たばたそう)
    大日本印刷 ICT事業開発本部
    2005年に大日本印刷に入社。画像処理技術、機械学習技術の研究開発とそれらを応用したアプリケーション、システムの研究開発に携わる。
    画像管理システム、画像シミュレーションシステム、フォトプリント画像補正技術、デジタルサイネージ技術、デジタルアーカイブ技術等を開発した。
    現在は、AI技術を用いた新規ビジネス・サービスの研究開発に従事。レイアウト自動生成AIの研究開発リーダーを務める。
  • 金山尚徳
    (かねやまひさのり)
    凸版印刷 ICT開発本部
    2006年トッパン・テクニカル・デザインセンターに入社。半導体回路設計業務に従事。
    2009年凸版印刷へ転籍。業務効率化のためのシステム開発を多数手がける。
    2016年よりAIを活用した新技術・サービス開発プロジェクトを牽引。AI校閲・校正支援システムではプロジェクトリーダーを担う。
  • 境祐司
    (さかいゆうじ)
    インストラクショナルデザイナーとして講座企画、執筆・講演などを中心に活動。また、電子書籍のプランニング・情報設計・デザインを手掛ける。
    2014年、デジタル専門の一人出版社「Creative Edge School Books」を立ち上げ、クリエイティブ系のオンライン学習コンテンツを企画・制作・販売。
    2016年よりAIシステムやロボティクス関連の実証実験に参加、ニューラルネットワークを使った機械翻訳と画像置換処理などのテストを実施。 2017年よりAdobe Community Evangelistとして、Adobe Sensei(AI)やAdobe XD関連のイベント参加・講演などを行っている。
  • 千葉弘幸
    (ちばひろゆき) モデレーター
    JAGAT シニアリサーチャー
    1983年に凸版印刷に入社し、CAD・CTSなど社内用文字画像のシステム開発に従事。その後、住友金属工業にてレイアウトソフトEDICOLORの開発企画、プロダクトマネジメントを担当。アドビシステムズにてInDesignのセールスサポートを担当。
    2002年よりJAGATにて、DTP・プリプレス・デジタル印刷などの企画・調査、DTPエキスパート・クロスメディアエキスパート試験の企画・運営を担当している。