オンラインカンファレンス・セミナー

2月6日(月) 13:30~15:30

C1:見える化で加速☆企業変革と働きがい

見える化は手段であってゴールではない。収益改善はもちろん大きな目的ではあるが、変革や成長が当たり前とする企業風土をつくることが本質である。苦難と挑戦の繰り返しのなかから生まれた取り組みや工夫を紹介する。
 

田村氏は2003年、24才のときに綜合印刷出版に入社。
平成の市町村合併の影響で仕事量が減少し社内が混乱するなか、お客様から選ばれる印刷会社になるためにどうすべきかを考え、ボトムアップ型の改革を進める。
2013年に34才で社長就任。若手改革派から管理職を抜擢。工場見学ツアーや相談に来たくなる事務所づくり(改装)など自社ブランディングにも注力。
2017年に経営者の会合で「田村さん、頑張ってるけど結果出てるの?」と問われ自問自答する。
やるべきことをしていれば利益は後からついてくると思っていたが、現実は、やりたいことはできているけど利益が伴っていない。
「お客様のためを思う社員が集う笑顔あふれる会社」が利益率の高い会社になるとは限らないと気づき、二つの決意をする。

1.利益にフォーカスする(ドンブリ勘定では課題が見えない)
2.社員の機嫌を気にするのを止めよう(気分よくさせて人を動かすのをやめよう)

2018年には新卒4人入社するも、まさかのベテラン4人退職。新課長は入社5か月目の社員という体制のなかトップダウンのマネジメントに切り替える。ミスの流出を防ぐため手順の見える化・標準化、教育カリキュラム作成に注力。

2020年、コロナで売上急減という事態に直面。売上増と社内体制強化の両天秤の状況から、社内体制強化に全振りすることを決意。MISを導入し見える化を最優先で断行。受注一品別収支とリアルタイムでの進捗把握が可能となり、社員のやる気や気分ではなく、客観的な数字とルールに基づいたマネジメントができるようになる。
それをさらに発展させ、給与と連動した目標管理制度(3か月周期)を運用。社員の成長と企業の成長の連動を図る。


本セッションでは同社の取り組みの成果物として以下を紹介します。
・経営理念を一人ひとりの行動に落とし込む「十訓十戒」
・誰でもできる多能工を推進する「標準手順書」(会議の議長の社長代行も)
・社員の成長を見える化し給与とも連動する「人事評価(目標管理)制度」
・ベースとなるのが「凡事徹底」(決めた「ルール」は必ず守る)
 (ルールは余計な摩擦やタイムロスを防ぐ。社員を縛るものではなく成長への近道) 
 

 
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当セッションの参加費は13000円です。

  • 田村 仁美
    綜合印刷出版株式会社 代表取締役社長
    1979年生まれ。高校の時、跡を継ぐと決意。社会の根本は人と考え、関西大学にて産業心理学を専攻。大人しい性格を克服するため営業系のバイトも経験し、社会人に備えた。2003年綜合印刷出版(株)に入社。営業課・取締役企画部長を経て2013年、三代目社長に就任。強いリーダーシップはもともと持ち合わせていないが、見える化・仕組み化・人材活用・人材育成・多能工化、そしてそれらを推進する評価制度に取り組み中。
  • 花房 賢
    モデレーター
    JAGAT 研究調査部 担当部長
    1992 年に社団法人日本印刷技術協会入職。研究調査部に所属。
    MISやワークフロー・JDFを担当する傍ら、標準原価を活用した利益管理システムの啓蒙活動および導入支援を行う。2010年より全印工連教育研修委員会 特別委員。
    2018年2月より「見える化実践塾」を立ち上げる。