基調講演 基調講演 場所:ワールドインポートマート5F

27日(水) 10:00〜12:00

【基1】アライアンスNEXT

アライアンスを組んで新しい分野に取り組んでいる経営者を集めて議論する。

フレキソ印刷についてのアライアンスで、ビジネス展開している金羊社の会長であり、パーソナル印刷で福島印刷とアライアンスを組んだ廣済堂の社長でもある浅野氏を招き、アライアンスの意味とメリット、デメリットに迫りたい。アライアンスを決定し実行するのは経営者自身である。
フュージョンの花井会長は、ダイレクトマーケティングの重要性に印刷業界が関心を示さなかった時から、いち早く着目してきた。現在も印刷会社を経営しているが、子会社としてマーケティング会社のフュージョンを始め、上場するまでになった。フュージョンのビジネスは、何かと何かをつなぐこと、つまりアライアンスで新しいビジネスを生むことである。
アドヴォネクストの井上社長は、一般社団法人マーチング委員会の代表理事で、最近は農業にまで手を広げている。2時間で議論をし尽くせない内容だが、このセッションに参加するだけで、かなりディープな時間を共感できるだろう。

これからはパッケージ、それも軟包装だということで、いきなりグラビア印刷を始めるには無理がある。技術的にもオフセットとは全く異なるノウハウが必要だし、グラビアの設備はメッキ等の大がかりなモノが必要不可欠である。やはりこれから新規ビジネスとなると、グラビアよりは水性フレキソと考えるのが妥当、論理的だろう。

page2018基調講演1に登壇する浅野会長の株式会社金羊社も、水性フレキソについて長いこと社内で研究してきたのだが、相手が食品パッケージとなるとそれほど簡単なことではない。いざ実ビジネスをスタートする時に、十分な経験を持っているトーホー加工とアライアンスを組んで、宇都宮工場ではフレキソビジネスの立ち上げを行った。フレキソ印刷機を金羊社が購入、機械のハンドリングはトーホー加工と金羊社の社員が一緒になって運用するという方法で、短時間にフレキソビジネスを会得できたと言える。そしてFFGSの新フレキソシステム(FLENEX DLE System)を設備した愛知の大口工場の新設とつながるのだ。

金羊社はアライアンス戦略を推し進め、佐川印刷(京都)、アドプレックス(広島)、小松写真印刷(山形)、セキ(松山)の計6社で協業(アライアンス)を結んで技術力向上を考えている。六社中の金羊社、佐川印刷、アドプレックスではフレキソ印刷機が稼働(総計10台以上)しており、残りの三社でも早期導入予定である。

また、浅野氏が社長を務める株式会社廣済堂では、バリアブル(デジタル)印刷で有名な福島印刷株式会社(金沢)とアライアンスを組んでいる。廣済堂では福島印刷と同じデジタル印刷ラインを有しており、埼玉工場では福島印刷の埼玉サテライトオフィスが入っており、建屋の上下(一ラインは福島印刷埼玉サテライト、もう一台は廣済堂の計2台)で、補完できるようになっている。福島印刷としても同一ラインを計3台保有することになり、互いにメリットは小さくない。福島印刷のOne to oneプリントのノウハウは半端ではないし、現場同士が付き合うということは、言葉に表せない+アルファがあるものである。

「株式会社アドヴォネクスト」は旧名「アド井上」と言い、もっと前は井上印刷という甲府の老舗印刷会社だ。現社長の井上雅博氏が活躍するようになって、いち早くMacを導入したり、ネットワークをフルに利用したビジネスを、まだネットワークが貧弱な頃から積極的に展開している。アライアンスについては

・大手印刷会社とのアライアンス
-話せる範囲で解説いただく。
かつてネットワークがまだ貧弱な時代、ネットワークで東京と甲府をつないで印刷会社の一部門まるごとBPOしていた。甲府の通勤は車なので電車の時刻表は関係なし、極端なことを言えば、夜中に働きたい人だって少なくないのだ。CG製作のようにロサンゼルス、パリ、インドで24hrs.リレーで働くようにやっていたわけだ。現在は大手印刷会社と同じビルに同居して外注的にやっているが、親密であることに変わりはない。

・印刷近隣分野でのアライアンス1
-マーチング委員会
これには、余り解説の必要がないだろうが、マーチングの取りまとめ役として頑張られている。マーチングが果たした町興しの実績は大きい。

・印刷近隣分野でのアライアンス2
-NPO法人地域創生機構
-DigQR・アイセック(海外インターンシップの団体)を通してインバウンドの活用
“DiGQR”とは、システム開発会社(株)アンダースが開発し、NPO法人地域創生機構が全国会員企業を代理店として店舗や観光施設への普及活動を開始した新しいシステムで、外国人観光客の地方誘致によるインバウンド需要の地方への取り込みを目指している。アイセックは学生に対しての海外インターンシップ関連の団体であるが、井上社長が大学の講師等で得た人脈をフルに活用している。

・他分野でのアライアンス
-日本での農業
-タイ国(アジア)での農業
こんなところにも触手を伸ばしている。これが大化けするのだ。

フュージョン株式会社は印刷会社の子会社として生まれたが、今やクライアント側からは印刷会社の上位に位置づけられる会社になっている。つまり印刷業界が苦手としているマーケティング業務を行う会社なのである。どのようにDMを打っていくのか?どのようにマーケティングオートメーションMAを使っていったら良いかを印刷会社にコンサルティング、もしくは一緒になってやっていくというアライアンスそのもののビジネスなのである。

花井会長は印刷会社の跡取りとして生まれたので、MAをバックにしたダイレクトメールの活用方法などの花井会長の話は、印刷業界人には腹にすっと落ちる。非常に分かり易い。なぜ小ロットなのか?なぜOne to oneなのか?これを自社だけでやるよりも、数社の知恵を結集した方がより現実的且つ創造的であるという話は、とても実践的で役立つと思う。
 

関連セッション
【基2】インターネットの次にくるもの【基3】他業界からみた印刷業界
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当日価格:17,000円

  • 浅野健
    (あさのけん)
    廣済堂 代表取締役社長
    金羊社代表取締役会長
    1948 年9 月30 日 東京生まれ 血液型:O 趣味:ミニカーコレクション、 ミニチュア燈台の収集 1972 年 株式会社金羊社入社 1993 年 株式会社金羊社代表取締役社長就任 2004 年 全日本印刷工業組合連合会会長就任(~2008 年) 2008 年 公益社団法人日本印刷技術協会会長就任(~2012 年) 2010 年 社団法人日本印刷産業連合会副会長就任 2016 年 株式会社金羊社代表取締役会長就任 2016 年 株式会社廣済堂代表取締役社長就任
  • 花井秀勝
    (はないひでかつ)
    フュージョン 代表取締役会長
    AMAマーケティングスクール応用研究科を修了し、北海道大学工学部勤務の後、札幌凸版印刷(株)に入社。デパート等の流通業やメーカーなどの販売促進を手がける一方でエリアマーケティングのノウハウを利活用して、細分化エリア分析システム、RFM顧客管理システム等様々なシステムの研究提案や開発を手掛ける。1991年には知識融合化法の適用による全国初の「企画・コンサルティング・情報サービス・マーケティング会社」であるフュージョン(株)を設立し代表取締役社長に就任。中小企業のマーケティングに関する販売促進コンサルティング等を推進。主に日本郵便、商工会議所、商工会、印刷組合等で通算500回以上講演を行なってきた。通産省北海道局産業クラスター委員、札幌市IT経営戦略アドバイザリー委員、全印工連業態変革企画室副委員長などを務めた。2008年にフュージョン㈱代表取締役会長に就任(現任)。2017年2月に札幌証券取引所アンビシャス市場への上場を果たす。
  • 井上雅博
    (いのうえまさひろ)
    アドヴォネクスト 代表取締役
    株式会社アドヴォネクスト(明治41年(1908年)創業)代表取締役 有限会社メディアデザインファクトリー 代表取締役 農業法人 たとみ農園株式会社 代表取締役 エイチエム写植センター(現プリンテック光村)、細川活版所(現光村印刷)を経て 1991年アド井上入社。 1997年メディアデザインファクトリー設立。 1997年亜細亜証券印刷株式会社(現プロネクサス)のデジタル化コンサルティングを担当、同 マルチメディア部 部長(1997年~1999年)。 1999年アド井上 代表取締役社長就任。2009年社名をアドヴォネクストに変更。 2011年 4月 全国印刷緑友会 会長就任(~2013年3月) 2011年 4月 農業法人 たとみ農園株式会社 設立 2012年 2月 一般社団法人 マーチング委員会 理事就任 2013年 2月 一般社団法人 マーチング委員会 代表理事就任 2016年 7月 AIOS Co., Ltd. 設立 全国印刷緑友会 第29代会長 山梨大学教育人間科学部 非常勤講師 商工中金ユース会甲府支店 会長 山梨経済同友会 幹事 一般社団法人 マーチング委員会 代表理事 学校法人京都精華大学 教育後援会会長 学校法人京都精華大学 評議員
  • 郡司秀明
    (ぐんじひであき)

    モデレーター
    JAGAT 専務理事/日本大学藝術学部講師/日本写真学会理事/電塾本部運営委員
    1979年千葉大学卒業後、大日本スクリーン製造株式会社入社。主として画像技術を担当し、デジタル技術の発展に注力する。 2006年9月、今まで言い続けたソリューションの実行を目指して独立、現在JAGAT専務理事として啓蒙活動に励む。 日本大学藝術学部講師、日本写真学会理事、電塾本部運営委員でもある。 「RGB&CMYKレタッチ大全」「図解カラーマネージメント実践ルールブック」はじめ著書多数。